7月27日、28日と、アコースティックな Beck を観たいがために、アメリカ東海岸に行ってきた私ですが、物忘れもひどくなってきたので、今回はちょいと旅日記風にここに記しておきたいと思います。長いです。(ちょっとだけイラストもあるよ!)(←釣り)
まずは1日目、ロングアイランドの Jones Beach Theater で行われた、Bob Dylan 企画、「Americanarama Festival of Music」のもよう。
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約13時間の不眠の苦行(フライト)を終え、軽やかに JFK に降り立つも、入国審査に2時間も行列。時間の余裕が全くなくなってしまった我らは、足早でマンハッタンのホテルに向かい、荷物をぴょいと放り込み、スタコラサッサと忍者走りで会場に向かいました。始めて訪れたマンハッタンを競歩で移動ですよ。マジソンスクエアガ〜デンを横目でちらり、どこにも寄らず、何も食わず。まぁよい、ライブに遅れたらコトよ!
ペンステーションからロングアイランド鉄道乗り込む。乗り合わせた OTAKU キッズを眺めること50分、Freeport 駅に到着。こっからバスで15分のところに Jones Beach Theater があります。何にもないビーチにひょっこり立ってるJBT。バスが近づくにつれ、もう超楽しくて、超笑顔ですよ。青空が広がるいい天気。気温もちょうどいい。風も気持ちいい。ねぇ、海鳥が飛んでいるわ!
開演時間ギリギリに到着するも、一組目は Ryan Bingham さんの出番だったので、ようやく余裕が生まれ、物販をちらっと物色。レコードが売ってるかもという期待は虚しく散る(まだ Defriended が届いていない我らだった)(帰国と同時に届いたが)。ニューなTシャツが売ってたけど、このデザインはさすがにどうなの?的なデザインに躊躇。明日のフェスにも物販はあるだろうし、もうすぐ Beck に会えるというワクドキで判断力も低下しているので保留にしました(てか何も考えられない。寝てないし)。
ゲートをくぐって会場入り。わー 広い!
会場は扇型の全席指定(こんなとこです)。(金額的に)頑張って取ったチケットは前の方のブロックでございます。よし近いぞ!顔が見えるぞ!
このフェスは、主にBob Dylan、Wilco、My Morning Jacket(所によりand more)が出演し、各地を回っているフェスで、この Jones Beach では My Morning Jacket は出ずに、その代わりの Beck、Ryan Bingham が参加しています。
↑ Ryan Bingham さんのステージ。みなさんまったり。アコギやハーモニカの響きに早くも涙腺が…。こんな所で観れるなんて、、楽しみすぎる。
Ryan がさがって、次の準備が始まる。ドラムマシン君が運ばれてきたので次のアクトは Beck よ! キャハー
数分待って、Beckさん、のっそり登場! キャーーー
私は8カ月ぶりの生 Beck だけど、お連れさんは Zepp Tokyo 以来の4年4カ月ぶり!
お召し物はサンローランの上下に、サングラス+ハットといった通常パターン。細っこいなー! 極細スキニーにも余裕でシワが入る子供のような脚よ(でも足はでかいよ)。バンドは前日どおり、Smokey Hormel、Roger Manning Jr、Jason Falkner の御三方。
“Jack-Ass” でスタートです。アコギの音とハーモニカ、Beck の歌声が響く空… 夢見ていた “Jack-Ass” がここに…(じんわり)。
次は “Lazy Flies” を爽やかにこなし、そして始まる “Guess I’m Doing Fine” のイントロ。泣ける…!(泣いた)。Sea Change は「よく晴れた夕暮れの海辺で聴くのが最高だべよ」というのが私の持論ですが、それを生演奏で聴けるんだからコレ、極みだわ…。
周りの席はなんとなく空いていたので、あんまり周りの人が気にならず(中高年ばっかだし)、ベンチにゆったり座ってのんびり聴いているような雰囲気。至福だわ…。
そしておもむろに「僕のニューアルバムだよ」といって Song Reader を手に説明(営業トーク)をする Beck。そのあと SR から数曲プレイしました。なんつっても “Now That Your Dollar Bills〜” を聴けたのが嬉しいー! しかもかっこいい! SR で Beck に一番歌って欲しかった曲。この曲は私の Paper Song Reader のビデオに使用した曲だけど、曲を提供してくれた Max もこの会場のどこかにいたみたい。一緒に聴けて嬉しいわ。最後は4人全員でハモる(練習したね)。Smokeyのバスコーラスが印象的でした。
ステージ付近で鳴いてる海鳥に「Come on boys!」と誘う Beck。Beck はデフォルトでにこにこしてたし、とてもリラックスしてて楽しそう。
“Sissyneck” はドラムマシンを始動。この Roger Manning のピアノアレンジが好きなんだよね。2010年の Bridge School の時から思ってたけど、ロジャマニさんのピアノアレンジって、アコースティックな Beck の雰囲気ととても相性がいいと思うんだよね。今回、ピアノがロジャマニと聴いたときは嬉しかったです。
何度も「No shit!」と言いながらドラムマシンで遊ぶ Beck。観れて嬉しいわ。“Sissyneck” の続きを歌おうとした Beck を遮って、Jason が “Billie Jean” のベースラインを弾いたりしてウフフ(結局歌わなかったけど。チッ)。T-Rex の “Get It On” を挟んだりして楽しい “Sissyneck” でした。
そして、“The Golden Age”…!これを聴きにここまで来たのさ…(泣いた)
“It’s All In Your Mind” はライブで初めて聴いたかもしれない…(泣いた)。
そして、ゲストに Ryan Bingham のバイオリニスト(だった気がする)、Richard Bowden さんをお迎えして、カントリーなインスト曲(“Farmboy Breakdown”?)をプレイしたりして。
そんでもって、私の好物の渋いブルースギターを奏でて始まった “Fourteen Rivers〜” のニューアレンジ。すげーかっこいい。かっこよ過ぎて震えたよ。ドラムレスで分厚い音を聴かせてくれました。Roger Manning の容赦ないコーラスもいい。後半転調するのもあがるわ。やっぱブルースな Beck はいいわ…。
それに続いて “One Foot In The Grave”! キャー ハーモニカ最高。Beck がハーモニカを吹く姿はほんとかっこいいわ。ハーモニカをマイクに近づけなきゃいけないから少し背伸びするんだけど、ジャケットの肩パットがもりっとなって、サングラスがずり落ちて、眉間にしわで、顔真っ赤で、超セクシー(←?)。
“Sleepless Nights” を丁寧にハモって、最後は “Where It’s At”。今までしっかり聴かせてくれてたのに、この最後のグダグダっぷりはなんだ!(笑った) こんなメチャクチャな “Where It’s At” は初めて聴いたよ(笑ったよ) そして「え?それで終わり?」って感じで終わり。そしてニコニコ引き上げる Beck たち。まあいいや、楽しかったし面白かった!
興奮覚めやらぬなか Wilco の準備が始まる。すっかり出来上がった我々は、ふわっふわな気持ちでそれを眺めてたが、Beck のギターテクが端っこでアコギの準備をしているのを私は見逃さないよ! もちろん出てくるよね、彼。
Wilco が始まる。Wilco を観るのは2回目だけど、ほんとうまいなー。演奏うまいとスタジオレコーディングと似たり寄ったりで、逆に面白味がなくなっちゃうバンドがわりといるけど、Wilco のライブはすごい。ぐいぐい聴かせてくれる。最初脱力して聴いてたけど、すぐに姿勢を正したよ。
そして、ソデにいた Beck のギターテクに動きが!(ずっと見張ってた)
彼のご登場よ!
Roger Manning と Jason も一緒にステージへ。Beck のボーカルで “I Am The Cosmos”! 聴きたかったよコレ! でも歌詞を見失っちゃダメ! Wilco の素晴らしい演奏をバックに歌詞を見失っちゃダメよ〜(笑った) 次はWilco の曲、Jeff のボーカルで “California Stars”。いいね。Beck はハーモニカとギターで参加。
そして何やらオナゴらがステージに登場。誰? え、Cibo Matto?(Smokey を探すもステージにはおらん) そして始まる “Loser” のリフ…! えー! なんなのこのモリモリ具合!(会場総立ち)(後ろはしらんが、少なくとも私より前の席は総立ち)。
Wilco 演奏の “Loser”…。貴重だわ。
終盤で Beck がダンスをかます! キメキメよ!しかもマイクをわざわざ置いて! ジャケット脱ぎっ! おかしい! 彼ったらおかしい!
そして、ステージ上に怪しげな風情のギターを持った男性がいるのに気付いた。誰? え? Sean Lennon !? そして始まる Beatles、“Yer Blues” のイントロ。
えー!すごーい!お客は大盛りあがりよ(年齢層高いからね)。
ボーカルは Sean。Beck はハーモニカを時々かますんだけど、それがまたかっこいいー。
そして、なんてこった、次は “Tomorrow Never Knows”!
Wilco、Cibo Matto、Beck、Sean で Beatles のカバーだなんて、なんて大盛りな…!
(そしてなにげに元 Jellyfish の二人もステージにいるんだなコレ)
Beck はひとりでフラフラしたりピョンピョンしたりタンバリン叩いたりしてすごく楽しそう。たのしーよね、たのしーよね! そして大団円で幕! Done!
(写真は Wilco の Facebook より)
いや〜 楽しかったー! 次は Dylan 御大の登場だけど、最近になって Dylan のステージにも Jeff などがゲスト出演してるし、今夜のこのお祭り具合からいって、Dylan にも出るべと期待大。
そして Dylan が始まる。お客さん(少なくとも私より前のお客さん)の大部分の本命は Dylan なんだねー。みなさん1曲目からスタンディングよ。見えないわよ。
、、、で?
……まっ、私ごときに Dylan を語る権利はありませんのでアレしておきますが、結局ゲストは誰も出ず、24時過ぎに終了。はい、帰ります。
Setlist:
01. Jack-ass
02. Lazy Flies
03. Guess I’m Doin’ Fine
04. Now That Your Dollar Bills Have Sprouted Wings
05. Sorry
06. Just Noise
07. Don’t Act Like Your Heart Isn’t Hard
08. Sissyneck / Get It On / Billie Jean Medley
09. The Golden Age
10. It’s All In Your Mind
11. Dead Melodies
12. Farmboy Breakdown(with Richard Bowden)
13. Fourteen Rivers Fourteen Floods
14. One Foot in the Grave
15. Modern Guilt
16. Gamma Ray
17. Lost Cause
18. Already Dead
19. Sleepless Nights
20. Where It’s At
with Wilco
21. I Am The Cosmos(ボーカルとギター)
22. California Stars (ギターとハーモニカ)
with Wilco, Sean Lennon, Cibo Matto
23. Loser(ボーカル)
24. Yer Blues(ハーモニカ)
25. Tomorrow Never Knows(タンバリン)
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楽しかった〜! Beckは、歌詞を脇に置いてたこともあり、あまり間違わずにしっかりと歌ってくれました( “Where It’s At” は別として)。去年のオーストラリアも野外だったけど、座って観るアコースティックってのは味わいが違うね〜。日本ではこんなにまったりとBeckを観ることなんてできないでしょう。サプライズも山盛りだったし、ここまで来なきゃ観れないものを観たよ!
さあ明日は Newport まで大移動よ! ガンガン行こうぜ!
(続く)