「Beck Song Reader」の国内盤が昨日リリースされました。
国内盤には、マルセル・ザマ(Marcel Dzama)のポスター(裏は “Heaven’s Ladder”のアートワーク)、Beck による序文の翻訳、粉川しの氏の解説、歌詞の対訳 がついてきます。
序文の翻訳はえらいね。楽譜「Song Reader」は、日本のメディアはほぼスルーだったので、ようやく真のコンセプトが日本語化されたことになります。やはりちょっと難解だけど、楽譜発売前にうちに掲載した翻訳と合わせて読んでいただけると、真意が見えてくるかもしれません。(ちなみにうちのは私が翻訳したのではなく、プロに頼んだものなのでそれなりに信用できます)
さて、その「Beck Song Reader」の私の感想を少し。
どんな方向性にするか、色んな可能性があった企画だと思うけど、コンピレーション・アルバムのご多分にもれず、各ミュージシャンの味をそのままずらりと並べた多種多様な内容になっている。『解釈次第で色んな可能性がある』という「Song Reader」の遊び心が体現されていて面白いなーと思う反面、なんというか、プロフェッショナルな方々がしれっと無難にこなしてる感があり、個性的ではあるのだけれど、なんだかあっさりしている気がしてならない。
ファンによるの演奏は、企画に対するリスペクトや楽しんでる様などが感じとれて、へたくそでも聴いていて楽しかったんだけど、このコンピにはそういった曲への思い入れみたいなものが希薄で、曲を愛する者としてはちょっと寂しく…。単純に苦手な奏者も何人かいたりして、まあ、つまり私の耳はコンピレーションは向いていないんだな…(知ってたけど)。
単純で素直な曲ばかりなわけだし、私的には全体的にもっとシンプルな方がよかったなーと思う。メロディー重視で、それこそキャンプファイヤーで歌ってるような飾り気のない感じでさっ。私はファンが演奏した曲でも、プライベート感のある素朴な演奏が好みだったので、プロフェッショナルな方々によるそういった演奏を聴いてみたいなーという勝手な期待もあったりして。Record Club のセッションのように、Beck の身内だけで作ればまた違ったことができたのではという妄想にかられるけど、いっぱい大人が絡んでいるし、そういうわけにもいかないわな。
一番よかったのはやっぱり Beck の “Heaven’s Ladder”。Beck のファンなので。
Beck にしては普通のアレンジ+録音だと思うけど、普通によい。Beck のコンピ提供曲はいつだって安心・安全!
Jack White のは期待してたけど、Jack と女性がデュエットするのはなぜかちょっと苦手なので残念。
Laura Marling は “Sorry” のような軽快な曲じゃないほうがよかった気がする。
などなどなど。
…辛口を炸裂してしまいましたが、そんな時もあります。
世間の評判は悪くはないので(ハム調べ)、きっと私がひねくれているのでしょう。
ごめんあそばせ。