さては2日目、「Newport Folk Festival 2013」についてのレポです。このフェスはリアルタイムで配信もされたし、アーカイブも公開されているので、みなさんもう5回くらいはご覧になっていると思いますが、間近で観た感想も含め、ここに記しておきたいと思います。1日目より長いです。なにせ、最前列(しかもセンター)で観てますからねフフン。イラストもあるよ!(←しつこい)
(Photo : Ben Stas, via tastemakersmag.com)
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2日目はまず New York から Newport へ大移動せねばなりませぬ。「New York から少し離れた所みたいだけど、Beck が行けるんだから私も行けるべ」と、たいして調べもせずにチケットを買っちゃったけど、いざ道のりを調べてみると、とても過酷だったという事実。車があれば別だけどね。アメリカで運転なんて無理よ。
1日目のライブ終了後、ホテルに着いたのは深夜2時くらいだったか…。早朝の電車に乗らなきゃ間に合わないので、5時に起きなきゃならないのだが、寝れる時間は2時間ほど。…だが、眠れない! こんな枕じゃ眠れない〜!(睡眠に関してはセンシティブな私) 結局数分くらしか寝落ちできぬまま、ホテルを出発することに…(旅先で眠れないとほんと困る)。
ガラガラと荷物を引きづりながら早朝のマンハッタンを歩き、Penn 駅でうまいパンとまずいコーヒーを食べたり飲んだりしてから、アムトラックに乗り込む。アムトラックは新幹線みたいな特急列車。車内は Wi-fi 完備! さすが Wi-fi 大国アメリカ!(←適当)
茫漠と揺られること3時間、ロードアイランド州の Providence に到着。ここからバスで1時間かけて Newport に行きます。駅からバスステーションまでちょっと歩いたんだけど、Providence はきれいな町だった。お、JC Penney があるよ! I met you〜 (盛り上がるジャパニーズ Beck ファンたち)
Newport 行きのバスはただのローカルな路線バス。チケットがいるか否かで少しまごついたけど、無事に Newport 行きのバスに乗り込めた。気軽に知らない人に話しかけるアメリカ人たちのちょっとした出会い&別れを茫漠と見守ること1時間、やっと Newport に着いたよ! 海よ! 雷雨予報だったけど、なんとなく晴れているのでラッキー!
Newport は海に囲まれたリゾート地で、美しいマリーナやゴージャスな邸宅が並んでいます(邸宅は見なかったけど)。ストリートは観光客でにぎわい、治安もよさげなキレイな町でした。(でもぜんぜん写真撮ってなかった)
速やかにお土産を買い、速やかにホテルにチェックイン。乙女な部屋にしばし色めきだつ我らだが、カッパをもってすぐに出発。
ホテルから会場の Fort Adams まで、ウォーター・シャトルがあるというのでとりあえず港へ向かう。世界的なヨットのショーを開催する観光地なので、ハーバーはとてもきれい。すぐに Fort Adams 行きのシャトルも見つかり、海から会場入りよ!
右の写真はシャトルから撮った Newport の町。風が気持ちいい〜。わくわく〜
会場付近の海にはヨットがいっぱい浮かんでいて、皆さん泳いだり、ヨットでバーベキューしたり、飲んだくれたりして楽しそう。リゾートだわ〜
会場に上陸した我々は、とりあえずメインステージを下見。メインステージ前は、スタンディングエリアと、まったり座ってみるエリアに分かれているのだが、スタンディング組もまったり組も大差ないほどのんびりとした雰囲気。さすが歴史ある Folk Festival、年齢層も高い。これはいいぞー!
(ちなみにこの Newport Folk Festival は Bob Dylan がエレキを手にしたあの伝説のフェスです)
左側がメインステージ。右側には海が広がっている。
山盛りフルーツを食べてビタミン・チャージ後、地獄のようなお便所に行き(フジロックなんかまだまし)、最前列をゲットするために、スタンディングエリアへ。
ぐいぐい食い込み、Beck の1つ前のバンドを2列目で観る。知らないバンドと決めつけていたけど、おや、オレこのバンド(The Lumineers)知ってるよ!(3曲目くらいで気づいた)お客はすごい盛り上がってて、みんな曲を口ずさんだしりて、大変人気者でした。いいショーを見させてもらったよ!
終了後、ラッキーなことに私たちの前にいた人たちがごっそり移動。
そう、夢にまで見た最前列! しかもどセンターー!
人生初の最前センターです。最前と2列目とでは雲泥のさですよ。だって私と Beck の間には誰もいない…! 遠く東のジャパンから、車と飛行機と電車とバスと船を乗り継いでここまで来たよね!
いつのまにか Smokey がステージで準備してた。Jones Beach でもオーストラリアでもそうだったけど、Smokey は自分で準備するんだよね。音だしとかもやる。オーストラリアの時は、ステージの端で自分のギターの写真撮ったりとかして、ほんとギター好きなんだなーと思った(アコギを片手に飛行機乗ってたし)。
そして、Beck先生のご登場! キャハー
今日は黒いシャツをお召しです。近い! サングラスの中のお目目も透けて見えるよ!
今日は “The Golden Age” でスタートです。
(Photo : Adam Kissick, via All Songs Considered NPR @ flickr)
会場の Fort Adams State Park は、海に小さく突き出た半島にある公園で、大戦時の砦が残されています(詳しくは知りませんが)。ステージの後方に砦があり(上の写真でいうと背後のブロックがそう)、お客は砦の方を向いているのだが、ステージの上からは海が一望できます。MC でなんかかんや言ってたと思うけど(悲しいかな聞き取れぬ…)、Beck はその海や浮かぶヨットや海鳥を見ながら歌っていたんだよね。気持ちよかっただろうぞ。
しかし最前で観るのはやっぱよいわ〜。日本と違って後ろから押されたりしないしさ。
あの Beck Hansen(殿上人・妖精)がすぐそこにいるんだもの。それが聴き慣れた声で歌ったり、ハーモニカをのんびり交換したり、くるっと回ったり、ベルト直したりしてるんだから、もうファンタジーです。
(Photo : Ben Stas, via tastemakersmag.com)
ステージの間にフォトピットがあって、前のバンドの時はスタートから3曲目くらいまで、みっしりとカメラマンで埋め尽くされてたんだけど、Beck はそれをイヤがったらしく、カメラマンは5人くらいしかいなかった。ラッキー。
前半、Sea Change、Mutations 系を数曲プレイし、お決まりの Song Reader の営業トーク。「ドアストッパーにも使える」とのこと。そしてお気に入りの “Now That Your Dollar Bills〜” ! そして今ツアー1番のキメ曲、“Fourteen Rivers Fourteen Floods”! 音もプレイスタイルもかっこいいよね。ハーモニカ吹きながらスライドでギターを弾く Beck はすごいかっこいい(何度も言うけど)。サングラス、ずり落ちすぎ!
“Loser” でドラムマシンがお出まし。ドラムマシンに向き合った彼のキラキラっぷりったら…!(その割に使いこなせてない)
ドラムマシンいじりたいんだけど、マイクから離れられないし、でもいじりたくて、後半グダグダになってる “Loser”。でもぜんぜん気にしない Beck とそのバンド。ゆるすぎる…。
そのあと、ゲストに Andrew Bird とバイオリンの女性(Annalisa Tornfelt)とバンジョーの男性(Chris Funk)が登場して、カントリーなインスト曲をプレイ。このアットホーム感のあるフェスにぴったりの和やかなひと時です。
(Photo : Ben Stas, via tastemakersmag.com)
その後、Jimmie Rodgers の “Waitin’ for a Train”(Stereopathetic Soulmanure に Ken のボーカルで収録されているね)をプレイ。スモーキーがソデに向かって「ステージに来なよ」的なジェスチャーをしていたので、誰かと思ったら Ramblin’ Jack Elliott が登場です! Ramblin’ Jack Elliott はフォーク界のレジェンド。見た目はかわいいおじいさん。Beck も MC でティーンエイジャーの頃に観たとかなんとか言ってますね。Jack Elliott は Beck の何組か前に出演しており、フェスのサイトのアーティスト紹介の文を Beck が書いていたこともあって、共演あるかもなと思ってたところでした。あるよねあるよね。
なぜかバンジョー用のマイクにひざまずいて歌うランブリンじいさん。このマイク、たぶん ON になってなかったと思う(先ほどのバンジョーも音出てなかった気が…)。ひざまずいてるランブリンさんに「Hello, Sir!」と挨拶し、手を引いて自分のマイクに誘う Beck。なんと微笑ましい…! 歌うのを勧めたり、マイクを下げてあげたりして、お世話してる Beck がなんだか孫っぽい。普段はじいさんっぽい Beck なだけに、人に親切にしている彼を見るのは新鮮だわ(普段親切じゃないという意味ではなく)。いいもの見たよコレ!
そんでもってソロタイム。ストリートでプレイしてた時の話を少しして(途中 “Hey Jude” を口ずさみ)“Pay No Mind”、“America, Here’s My Boy”、“Hollow Log” をプレイ。“Pay No Mind” や “Hollow Log” をアコギのソロで聴ける時がくるなんて夢にも思わなかったよ…(感涙)。そして待ってました “One Foot In The Grave”! 最前で One Foot!(もちろんガン見)フットスタンプの生音が聴こえるわ!
“Sissyneck” で “Billie Jean” にいきそうでいかないのはネタなのか?「歌詞分からん」とか言ってこの日も歌わなかったけど、楽しそうな顔してた。しかし終わり方が雑すぎ!
そして「陽が出てきたよ」と西の空を指差す Beck。
中盤くらいから天気はちょっと悪くなってて、実は雨が数滴落ちてきてたんだけど、“Sleepless Nights” あたりから晴れてきて、本当に“Sunday Sun”の時に雲が晴れて夕日が広がったんだよね。Sunday Sun を浴びて “Sunday Sun” 歌う Beck。見納め時のささやかな奇跡に感激しながらも、あぁ終わってしまうのかと寂しさが忍び寄る。
Bridge School の時みたいに「サンデーサンデ サーアァァァン〜」を連呼で歌い上げて泣かせてくれるんだろうなと期待してたんだけど、アレンジを変えたのか間違ったかで、それはなしで終わった。私的に肩透かしで幕! おーい!
Beck はソデに引っ込み、ランブリンじいさんにご挨拶してる。その脇で(たぶん)主催者の人が、もっとBeckを呼べと、手を上げて客を煽る。そして再登場! そうこなくっちゃ!
アンコールはお決まり “Where It’s At”。リズムにのせてめちゃめちゃ話してる Beck。何言ってるか分かんなかったけどドラムマシン愛は分かったよ。最後は皆さん見てのとおり、謎なグダグダで終わり! すごいなー Beck …。
Setlist:
01. The Golden Age
02. Jack-ass
03. Lazy Flies
04. It’s All In Your Mind
05. Already Dead
06. Dead Melodies
07. Sorry
08. Just Noise
09. Now That Your Dollar Bills Have Sprouted Wings
10. Fourteen Rivers Fourteen Floods
11. Loser
12. Farmboy Breakdown(with Andrew Bird, Annalisa Tornfelt, Chris Funk)
13. Waitin’ for a Train(with Ramblin’ Jack Elliott)
14. Pay No Mind (Snoozer)
15. America, Here’s My Boy
16. Hollow Log
17. One Foot in the Grave
18. Modern Guilt
19. Sissyneck / Billie Jean Medley
20. Lost Cause
21. Sleepless Nights
22. Sunday Sun
23. Where It’s At
謎な終わりだったけれど、終わった後の黄昏感たるや…。楽しかったしお腹いっぱい胸いっぱいだけど、なんとも言えないこの寂寥感(そしてものすごい疲労感)。オーストラリアの時はこれを一人で味わったけど、今回はよき相棒がいたのでよかった。夕日が沈む海をぼんやりと眺める、平たい顔族が約2名…。
(Photo : Adam Kissick, via All Songs Considered NPR @ flickr)
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近年の Beck のライブは、プロフェッショナルなバンドのライブ(例えば Wilco とか)とくらべ、ゆるゆる(悪く言えばグダグダ)なことが多々発生するんだけど、今回みたいな馴染みなメンバーだと、それもなんだか楽しく、Beck も楽しそうで、自由で、ステージ上には緊張感や気負いなんてものははどこにもない。間違えても全然気にしない。みんなニコニコ。スタジオレコーディングと実演奏がここまで違う人も珍しい気もする。ファンじゃない人でも楽しめるのかちょっと疑問に思うけど、Information や Modern Guilt ツアーと比べると、Beck が自然体でショーを楽しんでるのがよく分かる。そんな Beck を観れるのとても嬉しいし、そういう気取らないショーも素敵だなと思う。よい感じに年齢を重ねているなーと思いました。さて次はいつ観れるのかしら… お金と英語力を蓄えねば!(次の夢は LA よ!)
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以前にもお伝えしましたが、この Newport Folk Festival の映像はアーカイブが公開されています。いつ消えるか分からないので、今のうちに心に録画しておくと吉です。この映像が残ってて本当に嬉しい。NPR と NFF に大変感謝です。
こんな長文を読んでくれた方にも感謝です。ありがとうございました! ハムハム!
いつも楽しく読ませていただいております。
最前列おめでとうございます!
hamさんは世界最高のBeckファンだなあと本当に思います、皆思ってると思うけど。
●あくびモントリオールさん
わぁ、いつもありがとうございます!
執拗さなら世界クラスかもしれません。フフ
来年あたり日本にもくればいいですねー
できればニューアルバムを携えて!