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by Mikai Karl

ユニバーサルの火災についてのまとめ

2008年に起こったユニバーサル・スタジオの火災で、多くのミュージシャンの多くのお宝マスターテープが焼失し、しかもそれを今年になるまで隠していたという事件。Kレコード以外のレコードはすべてユニバーサル関連下にある Beck もその被害者の一人として名前があがっていましたが、最近の The Sydney Morning Herald 紙のインタビューでその詳細を語りました。
 icon-arrow-right Beck fears most of his music has been destroyed

以下はその意訳です。

・マネージメントはまだ何が失われたか教えてくれない。彼らはニュースを伝えるのが耐え難いので僕には言っていないのかもしれない。

・リリース済みなのはレコーディングした内の10%で、未発表の90%は焼失したかもしれない。

・「Sea Change」にはアルバムの雰囲気に合わなかったから入れなかった10〜20曲のアウトテイクがあった(それも燃えたかも)。

・2001年に Sunset Sound で録音した25曲の Hank Williams のカバー・ダブルアルバムは、コピーを持っておらず、マスターテープでしかないのでたぶん失われた。

・ナッシュビルで2日で録音したカントリーアルバム、「Odelay」の前に録音した Pavement や Sebadoh のようなロックアルバム、95年に Jon Spencer Blues Explosion とニューヨークで作った10曲のアルバムもどうなったかわかんない。

 
、、、と発言したのを各メディアが取り上げ、ちょっとした話題になったところ、Beck がすかさず SNS でフォローを入れました。

I wanted to clarify some out of context quotes regarding the universal archives fire. Since the time of that interview we have found out that my losses in the fire were minimal.
Another point I want to clarify: I have had a wonderful and very close relationship with my management for 25 years through to working on my current album. x

僕はユニバーサルの火災についての文脈を無視した引用を明確にしたかった。インタビューの後、火災での僕の損失は最小限であることが分かった。
もう一つはっきりさせておきたいのは、最新のアルバムを制作するまでの25年間、僕とマネージメントは素晴らしくとても親密な関係にあるということ。

 
Beck はこれよりもうちょっと長い文を投稿、すぐに削除し、リライトして再投稿しています(上はリライト文)。リライト前の文では、オリジナルのマスターテープの大部分は安全に無傷であること、マネージメントを最高に信頼していること、お騒がせしたことについてのお詫び、問題ないしすべて順調であることが書かれてました。

うん、波風立てたくないのはわかった。で?

損失は最小限(my losses in the fire were minimal)というのはどの程度なのだろうか? インタビューで述べた未発表曲のマスターは全部焼け残ったの? バックアップが残ってたの? …と色々疑問が残りますが、まあ、具体的に明確に公言しないのが Mr. Beck ですし、とりあえずは安心しておきましょう。

しかしリリースされなかったら我々にはないも同然! これを機にリリースしましょうよ! Hank Williams 絶対いいよ!

BECK IS HOME

雑誌 Newyorker が「BECK IS HOME」と題した特集記事を掲載しました。
 icon-arrow-right Beck Is Home

とても良い記事だと思います(といっても Google 翻訳先生に頼りまくって読んだだけなので完全には理解してないけど)。記事の中で、ライターの Amanda さんは Beck が運転するシルバーのメルセデスでドライブをしています。アートや子供の頃の話、両親の話、最近の仕事っぷりやプライベートの話、「Hyperspace」の話などを交えながら、LA の馴染みの場所を巡り、ステーキを食べ、最後には海に行きます。父 David Campbell、弟 Channing、エンジニア David Greenbaum、そして Pharrell Williams のコメントなんかもあったりして、いつものインタビュー記事とは一味違った親密な内容になっています。

個人的に興味深いところを意訳しておきます。(毎度のことで自分でもうんざりですが)合ってるか分からないのでそれなりに読んでください。


・「Hyperspace」は彼自身のことについて書いたものではないとし、「僕の人生を歌に詰め込もうとすると、本当にぶざまなものになる」とのこと。

・エンジニアの David Greenbaum は何百時間もの未公開の素材が入っている大量のハードドライブを持ってきた。(「Hyperspace」のオルタネイト・トラック、「Roma」のインスパイア・アルバム用の未公開の曲、古いデモ、未完成のアルバム「Rococo」の曲などが入っているもよう。お宝すぎる…)

・「彼のような人は誰もいません」と Greenbaum。「彼はできたモノを超えれるか確認するために、膨大な数の異なるバージョンとアプローチを試みる。どれだけ作業が進んでても、それがより良くならなければ、元の状態に喜んで戻る」

・Pharrell が Beck について「彼は賢い男です。彼は時節を理解し、大衆の気質を理解し、現れどきを正確に知っている」(略)「彼は同時代の誰よりも優れている。彼は決して彼らと同じレーンにいたことはなかった。彼はいつも緑の牧草地を歩いていた。彼らがロスやシアトルのハイウェイにいた時も、彼は心の牧草地にいた」(素敵な表現…!)

・「彼はリブアイ・ステーキ、クリームほうれん草、マッシュポテトを注文しました」(やっぱ肉だよな…!)

・車から降りて、ウォーターフロントを歩きながら私たちはアートが完成した時をどのように知るかについて話した。彼は「これで終わりかも?というポイントがある。でも目覚めると同時に曲が鳴りだすんだ。メロディー、ハーモニー、ベースライン。いつも頭の中でラジオが鳴っているみたいな感じ」


素敵な写真は David Benjamin Sherry 氏によるもの。氏は Rodarte を着る Beck と Charlotte を撮った人です。1カットだけ? もっと撮って!

by Mikai Karl

Hyperspace補足

国内ストアでプレオーダーが始まりました

主要ネットストアのリンクを貼っておきます。
HMVAmazonタワーレコードディスクユニオン

現状ですと、インディーレコードショップ限定の赤盤は HMV のみ、カセットはタワレコのみで取り扱ってますね。そのうちどこのショップも品が揃ってくる気がします。値段は海外で買うより高かったり安かったりしてます。

また、今回ユニバーサルの公式ショップでも購入が可能です。beck.com 限定のクリア盤がここで買えます(カセットも)。しかもちょっと安い。むむ…

※ 現在、beck.com のトップページから Shop に行こうとすると、自動的にユニバーサルのショップに飛ばされます。(なんてことを…)
Beck Store に行きたい場合はこのアドレスからどうぞ。
 icon-arrow-right https://shop.beck.com
 

現在世界に存在する「Hyperspace」のレコードは以下の4種です(たぶん)。

 ・黒盤 ……どこでも買える
 ・赤盤 ……インディーのレコードショップで買える
 ・クリア盤 ……beck.comとユニバーサルのショップで買える
 ・メタリックシルバー盤 ……Rough Tradeとタワレコで買える(他で買えるかは不明)

ちなみに Spotify リスナーへの特別盤として メタリックゴールド盤というのも存在しましたが、速攻売り切れました。エーン
 

Beats 1にちょろっと出演

昨日の Zane Lowe の番組に出演しました。わざわざスタジオにきたのにちょっとした放送しなかったし、ビデオもアップされてないので、もしかしたら本編は発売してからなのかな? YMO がどうとか言ってます。


丸サングラス、かっけーです。

また、BBC 6 の Mary Anne Hobbs の番組にも出演しました。アーカイブが聴けます。
 icon-arrow-right https://www.bbc.co.uk/programmes/m0009crp
 

アートワークについて補足

「かっこよすぎる!」という人もいれば「すげーダサい!」という人もいるこのジャケットですが、アートワークは、「Colors」を手掛けたお馴染み Jimmy TurrellJoe Perez Studios の共同製作らしいです。

クリエイティブ・ディレクターが Jimmy Turrell、アート・ディレクションとデザインを担当したのは @jpn1988、プロデュースが Joe Perez とのこと。Jimmy が仕切って、Joe が考えて、Jpn が作ったって感じかな。そして Beck が覆して、Jimmy が取り繕って、Joe が再考して、Jpn が徹夜したのかな(←想像)。

Joe Perez Studios は Kanye West、Nicki Minaj、最近では Billie Eilish のアートワークを手がけています。
 icon-arrow-right https://www.joerperez.com/

from zimbio.com

Hammer Museum’s 17th Annual Galaに出席

台風は去りました。私は申し訳ないくらい何事もなくすごしました。被害にあわれた方を思うと胸が痛いです。1日も早く日常に戻れますように。

—-

LA も山火事に大変みたいですが、Beck は昨夜、Hammer Museum’s 17th Annual Gala に出席し、ちょろっとパフォーマンスをしたそうです。曲は “Nobody’s Fault but My Own” と “Loser”。シタールやタブラなどの古楽器隊、そして Chris Martin と共演しました。

一番上の写真は zimbio.com より。

(追記)
セットリストがわかりました。Blackhole!

 Nobody’s Fault But My Own
 Loser
 Blackhole
 Wave
 The New Pollution

いい写真!

@gucch

最近のBeckさん

最近の Beck さんが何をしているかというと、バケーションがてらヨーロッパでニューアルバムの営業回りをしています(おそらく)。パリに入ったのは9月中旬なので、ずいぶん長い間のご滞在されています。

Air の Nicolas Godin のパリのスタジオに遊びにいったり…

ミラノでの Gucci のショーをフロントローで見たり…

(via gettyimages.com

パリで Celine のショーを見ると思いきや、ロンドンでインタビューを受けたり、レコード会社の人とミーティングしたり…

そして Thurston の Moore 兄貴と遊んだりしています。

Thurston は「Hyperspace」を聴いたらしく、Instagram で下記のように言ってます。「Hyperspace」の内容について誰かがネットに書いたのは私の知る限り初めてです。

His new record Hyperspace is excellent with sounds of pure sonic love energy.

また、Facebook ではこうも言っています。

Beck was in London today to preview spin his new record Hyperspace and it is excellent, a soaring sonic psychedelic beat bop sound parade.

ピュア・ソニック・ラブ・エネルギーで、ソアリン・ソニック・サイケデリック・ビート・ボップ・サウンド・パレードだって! なんのこっちゃだけど超期待!

ロンドンではビデオも撮っているらしいですね。黄色い車です。

もうすぐ詳細が聞けるでしょう。祭りの時は近し…。楽しみすぎる…!